こんにちは。姉Ayakoです。

AS factory(アズファクトリー)の合言葉「たべるを、たのしく」が生まれるまでの話をこれから何回かに分けて投稿していきます。
お時間あるとき、読んでみてください。


ハタチを過ぎた夏の終わりに憧れていたスキューバダイビングをはじめました。
バブル終焉で(年齢ばれますね)、マリンスポーツ全般がリーズナブルに楽しめるようになっていたものの、貧乏学生には贅沢な趣味。目が悪い私はマスクも度付きレンズでなければならず、かさむ出費のためにバイトに明け暮れるという、典型的なダメ学生でした。

もともと泳ぐのは得意だし、磯遊びも大好きな私は、すっかり海に潜ることに夢中になっていました。
水中では動きが制限されるため、瞬発力を前世に置いてきた自分には、 ゆっくり動くスポーツは性に合っていたようです。それに加えて、地上と違ってあれこれ気を遣って会話する必要もなく、好きなだけ集中して水中生物を観察できるのも好きだったなぁ。

初めて潜った西伊豆・大瀬崎の海は忘れられません。
海の中から見上げる波は、体感するうねりとは異なるリズムで陽光を乱反射していて、海岸から眺めているときよりも、ずっとずっと生命力がありました。

水中で周りを見渡せば、海の生き物たちが悠然と泳いでいます。
大きいもの、小さいもの、カラフルなもの、地味なもの…。
手を伸ばせば、簡単に捕まえられそうなのに、近付くと流線型の体をなめらかに翻して、すーっと遠くに行ってしまいます。

一方、重装備で海の世界にお邪魔している自分は、必死にジタバタとフィンキックしたところで、せいぜい数メートル進むくらい。
5mm厚手のウェットスーツで全身を包み、手袋をはめて、高価な度付きレンズのマスクを装着して、重たいタンクを背負って、浮力調整の重りを付けて… どんなに頑張っても1時間も滞在できない海の中。
あーぁ人間って、海中ではヨワモノなんだな。

…というか、強いとか、弱いとか、立派だとか、ダメなヤツだとかって、状況と環境が変われば、あっさり逆転しちゃうんじゃないの?

学生から社会人になるまであと1年ちょっと。
将来への漠然とした不安と、マンネリ化した学生生活への焦燥感でモヤモヤしていた自分は、度付きレンズじゃなくて、たったハタチそこいらの経験をもとに、自分で色付けしたメガネで世の中を見ていたのかも。

よし、気負わずに行こう。

好きなものはとことん追求するクセが、幸か不幸か就活の時期に出てしまい、仲間から数年遅れてライセンスを取った私はプロフェッショナルダイバー資格まで一気に取得することを決めます。

こうして学部で学んだことを生かすことなく、まったく違う世界へ飛び込むことになります。